【食育活動レポート】五感で体感!手作り味噌づくりに挑戦しました
ハートスフードクリエーツでは、未来の子どもたちが直接見て、触れて、感じる体験ができるさまざまな食育活動を行っています。
今回は、そんな食育活動の一環として行った、手作りの味噌づくり体験の様子をご紹介します。
大豆から作る!本格的な味噌づくり
発酵食品である味噌を、時間をかけて手作りしていく食育体験を行いました。
味噌づくりに挑戦してくれたのは大阪府豊中市にある「アトリオみなみおかこども園」の子どもたちです。
2022年6月7日、同園にお邪魔して味噌づくりがはじまりました。
まず洗って汚れを落とした大豆を水に浸します。
水を吸った大豆は、元の大豆よりも約2倍の大きさに。
その後ふっくらと蒸しあげて、大豆の持つうまみを中にギュッと閉じ込めます。
ここからは子どもたちの出番です。
蒸し上がって冷ました大豆をしっかりとつぶします。
小さな手を一生懸命動かして大豆をつぶすかわいらしい姿に、私たちも笑顔になりました。
つぶした大豆に食塩や麹を入れて混ぜ、容器に詰めます。
「いつ食べられるの?」「早くできないかな」そんな子どもたち声を聴きながら、次に蓋を開けるのを楽しみに半年ほど寝かせます。
できあがった味噌を豚汁にして食べました!
無事に発酵が進んでいるのか、11月ごろ一度チェックしました。
子どもたちが頑張った甲斐もあり、無事に味噌の熟成が進んでいるようです。
食べられるのは、年が明けてからのお楽しみ。
ついにできあがったお味噌を食べる日がやって来ました。
「アトリオみなみおかこども園」では、阪神大震災の教訓を忘れないように毎年1月中旬に防災訓練を行っています。
2023年1月17日に開催された防災イベントに私たちもお邪魔しました。
この日の給食メニューは、防災食であるおにぎりふたつと、豚汁、また後日紹介する解体ショーで登場した鰤(ぶり)です。
豚汁に、子どもたちが頑張って作った味噌を使いました。
アツアツの豚汁を笑顔でほおばる子どもたち。
自分で作ったお味噌の味は格別のようで、「おいしい!」という声がたくさん聞こえました。
作った味噌は、今後も同こども園の給食の素材として使っていきます。
味噌が大豆からできている、ということを初めて知った子どももたくさんいましたよ。
【食育コラム】味噌ができるまで
味噌の原料は、大豆、麹、塩です。
味噌の製造工程は、味噌麹を作る「製麹」と、子どもたちの食育体験でも行った「大豆をすりつぶす」ふたつから成ります。
味噌ができるまで
・製麹
麹の元となる米または麦(大麦)を選別します。
水に付けて吸水したあと、蒸気で蒸します。
適温に冷ましたあと、麹菌を加えて麹室(こうじむろ)に寝かせ、麹を作ります。
・大豆をすりつぶす
選別した大豆を水の中でこすり合わせて、汚れを取ります。
水に付けて吸水したあと、蒸気で蒸す、または煮ます。
適温に冷ました後、大豆をすりつぶします。
・仕込み
麹と食塩、大豆を混ぜ合わせて、桶や発酵タンクの中に入れて発酵させます。
熟成期間は、作る味噌によって異なります。
麹とは?
麹とは、カビ菌の一種です。
乳酸菌や納豆菌のように、食べ物をおいしく発酵・熟成させる働きを持っています。
麹の好む温度と湿度で寝かせることで麹菌が活発に活動するため、味噌づくりには湿度と温度の管理がとても重要です。
味噌の種類
味噌は、麹の種類によっておもに以下の2種類に分かれています。
・米麹から作られた米味噌
・麦麹から作られた麦味噌
米味噌は甘みが強く、上品な味わいが特徴です。
甘味噌、辛味噌、白味噌、赤味噌と幅広いバリエーションがあります。
麦味噌は麦独特の香りと、さらりとした甘みを持っています。
味噌は私たちの食卓に欠かせない調味料でもあり、保存食でもあります。
食育活動を通じて、味噌がどうやって作られているかはもちろん、古来の日本人が生み出した知恵を子どもたちが知る良い機会になったのではないかと感じています。
今後もハートスフードクリエーツは、食を通じた豊かな体験活動で子どもたちの成長をサポートしていきます。