ハートスフードクリエーツ・西脇社長が南米パラグアイへ 現地視察の様子をレポートします!
今年2024年9月、ハートスフードクリエーツ代表取締役・西脇 章は南米・パラグアイを訪れました。在パラグアイ日本商工会議所は、独立行政法人国際協力機構(JICA)の助成金を活用し、日本の民間企業が、政府機関・日系団体・企業等への訪問や視察を通して、同国との社会・経済交流および連携を図る取り組みに力を入れています。今回は、パラグアイにおける日本食品等への理解促進と相互の連携によるビジネスの可能性を探ることを目的に、日本の事業者で視察団が結成され、西脇社長がその一員として参加を依頼されました。
今回は、2週間の視察の様子をご紹介します。
大統領府と在パラグアイ日本大使館を訪問 現地でサッカー観戦も!
パラグアイは、南米大陸の中央に位置する内陸国で、ボリビア、ブラジル、アルゼンチンと国境を接する小国。首都はアスンシオン。国土は日本の1.1倍でありながら、人口は730万と、日本の半分ほど。若者が多く、国民の平均年齢が28歳というのも大きな特徴です。
今回の視察は、パラグアイの大統領府訪問からスタート。建物の周辺に柵がないことが、治安の良さを物語っています。
続いて訪れた在パラグアイ日本大使館では、女性大使と面会し、同国における日系社会の現状を伺うとともに、事業展開の可能性についても意見交換を行いました。
大使館では、公邸料理人が手作りした特製アイスクリームが振る舞われ、アイスクリームの隠し味となっている日本の食材を問われるシーンも。西脇社長は、キャラメルのような風味から、醤油が使われていることに気づき、大使を感嘆させたとか!後日、公邸料理人とも会い、いろいろとお話が聞けたそうです。
また、現地のサッカー観戦にも足を運んだ社長。この日の対戦相手はサッカー王国のブラジルとあって、スタジアムは普段以上に熱狂的なファンで埋め尽くされていたとか。パラグアイの人々のサッカーへの情熱を肌で感じたそうです。
パラグアイの食文化を体感 現地の給食事業も調査
パラグアイと言えば、アサードと呼ばれるバーベキューが有名なのだとか。週末になると、家族や友人と集まって、大量の肉を炭火で焼いて楽しむそうです。今回の視察旅では、マテ茶と呼ばれるお茶を、ストローのようなボンビージャで回し飲みするテレレという文化も体験。独特の苦味と香りでしたが、現地の人々との交流を深める良い機会になったようです。
また現地のスーパーでは、高価ながらカレールーやふりかけ、豆腐などの日本食品が販売されていました。パラグアイには、日本食レストランもあり、現地の人々の間で人気となっています。ただし、味付けやスタイルはパラグアイ風にアレンジが加えられ、本来の日本食とは異なることもあるようです。
また社長が大きな関心を抱いたのが、現地の学校給食と高齢者向けの食事サービス。現地の学校給食は始まったばかりで、栄養バランスの改善が課題となっています。また、高齢者向けの食事サービスについてもニーズが高まっているとのこと。これらはまさに、私たちハートスが専門とする分野であり、今後何らかの形で貢献ができるかもしれません。
パラグアイにおける移民の歴史に触れる
視察では、日本人移民が多く住むイグアス居留地を訪問し、日系2世の方々と交流しました。そこで耳にしたのは、88年前、神戸港から船で60日、さらに鉄道と馬車で数週間かけてパラグアイに渡った移民1世の物語。楽園と信じて辿り着いたのは、未開拓の荒れ地でした。家族で力を合わせ、森を切り開き、家を作り、農地を耕し、ゼロから生活を築き上げていったそうです。
驚くべきことに、ここでは3世や4世の方々も、現地の言語であるスペイン語やグアラニー語と合わせて、日常的に日本語を話しています。社長は、昭和の日本を彷彿とさせる風景が広がる居留地や、日本の心を継承する移民の方々の姿に感銘を受けたといいます。また「日本の心を持ち、日本語も流暢に話せる移民の方々をビジネスパートナーにすれば、ユニークな事業展開ができるかもしれません」と話します。
ビジネスチャンスと課題 電力供給の強みと物流の壁
「もしパラグアイでビジネスを展開するならば、豊富な水力発電資源を活かした電力供給は大きな強みになりますね」と社長。電気代はなんと日本の3分の1程度。現地に製造拠点を置く際は大きなメリットになります。
また、同国はブラジルやアルゼンチンなど近隣国との関税同盟であるメルコスールに加盟しています。一部の品目を除き関税が撤廃されているため、現地で物資を調達・売買する上では有利です。しかし、海に面していない内陸国のパラグアイでは、物流が大きな課題に。輸送の際は、生鮮食品や冷凍食品の温度管理も難しく、「パラグアイでの事業展開を考えるならば、物流の問題を解決する必要がある」と社長も感じています。
ハートスが探る人事交流の可能性
今回の視察で、社長がもう一つ注目したのは学生の就職率。パラグアイ最高学府であるアスンシオン大学との交流を通して見えてきたのは、優秀な学生が数多くいるにもかかわらず、若者の就職率はわずか3%という現状。
こうした状況を受け、社長は、優秀な人材をハートスで受け入れるインターンシップ制度の可能性を模索しています。
「パラグアイの日系人をはじめとする若者に日本の文化やビジネスに触れる機会を提供し、また食のプロフェッショナルが集まるハートスでインターンをすることで、先に述べた給食や高齢者向けの食事サービス事業における人材育成が可能となります。若者の就職難や現地での課題解決にも貢献できますね」
ハートスフードクリエーツは、今回の視察をきっかけに得たパラグアイとの繋がりを大切にしながら、人事交流から一歩ずつ関係を深めていくことを目指していく予定です。
数年後、パラグアイには、ハートスで経験を積んだ学生たちが、食に関わる事業を母国で展開しているかもしれません。そのときはこのブログでその活躍をご紹介したいと思います。