腸内細菌が喜ぶ食べ物「まごわやさしい」とは?手軽な腸活で健康に
最近は、腸活という言葉をよく聞くようになりました。
腸活とは、腸内環境を整えて免疫や精神状態など心身のバランスを良好に保つこと。
けれども、偏った食生活により特定の細菌だけが増えると、腸内環境のバランスが崩れてしまいます。
良好な腸内環境のために、日々の食生活で腸内環境を整えましょう。
今回は腸内環境を整えるための、腸内細菌が喜ぶ食べ物についてわかりやすく解説していきます。
腸内環境が乱れるとどうなるの?
腸は食べ物の消化・吸収以外にも、さまざまな働きをしています。
腸に存在する免疫細胞は、体全体のなんと約6割。「幸せホルモン」として知られる「セロトニン」は、主に腸で生産されています。
つまり、免疫力を高めるのも、幸せな気持ちを感じるのも、実は腸内環境に大きく左右されているのです。
腸内環境を乱す食生活とは?
腸内環境の乱れを引き起こす悪玉菌が増える原因の一つが、日本食離れ。
腸内環境を整えるために理想的だといわれていた日本人の食生活は、現代では和食からファーストフードや加工食品中心の生活に変わりました。
その結果、腸内の悪玉菌が増え、便秘や下痢などの体調不良を引き起こしやすくなっています。
つまり腸内環境を整えるには、腸内細菌が喜ぶ食べ物を摂るようにすれば良いのです。
腸内細菌が喜ぶ食べ物「まごわやさしい」
腸内細菌が喜ぶ食べ物の合言葉は「まごわやさしい」(「まごわやさしい」に発酵食品を加えた「まごはやさしいわ」の言い回しもあります。ここでは後者でお話していきます)。
この8品目を意識してバランスよく採り入れるだけで、腸内環境が喜ぶ環境が整います。
「ま」豆類は組織や細胞を作る
まめ類には、体の組織や細胞をつくる良質なタンパク質が豊富に含まれています。
「ご」ごま製品は骨を丈夫に・肌をきれいに
ごまに含まれるセサミンなどのポリフェノールは肌のアンチエイジングに、ビタミンEはコラーゲンの生成を助けるため美肌効果が期待できます。またカルシウムが多量に含まれているため、骨や歯を丈夫にします。
「は」発酵食品は腸の消化を助け、老化防止に
発酵食品には、乳酸菌や麹菌、酵母菌や納豆菌など、さまざまな善玉菌が豊富に含まれています。
「や」野菜類は種類も効果も豊富
免疫システムの活性化を期待できる淡色野菜や、抗酸化ビタミンがたっぷりの緑黄色野菜など、たくさんの種類をバランスよく食べるようにしましょう。
「さ」さかな類は血管や脳に不可欠な食材
サバやイワシなどの青魚には、動脈硬化や脳血栓、心筋梗塞などの血管の病気を予防するEPA、脳や神経組織の機能維持に不可欠なDHAがたっぷり含まれています。
「し」椎茸類は食物繊維が病気を防ぐ
椎茸などのきのこ類は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がどちらも豊富に含まれています。低カロリーなので安心して食べられます。
「い」いも類は万能な食べ物
いも類といえば、便秘対策としても有能な食物繊維がたっぷりの食材です。便通がよくなり腸内がきれいになると、ミネラルの吸収率もアップ。
山芋のネバネバ成分は、肝臓や腎臓の機能を高めます。
また、いも類のビタミンCはでんぷんに包まれているため、加熱しても壊れにくいというのも嬉しいですね。
「わ」わかめ類はミネラル豊富な海の幸
わかめなどの海藻類は、ミネラルとビタミンが豊富に含まれています。
また、ホルモンの材料となるヨウ素、抗酸化作用成分として注目を集めるフコキサンチンなどもたっぷりです。
腸内環境は、「まごわやさしい」を意識した食生活で誰でも気軽にはじめられます。
腸活だけじゃない!「まごわやさしい」が大切なもう一つの理由
人間の体は弱アルカリ性に保たれており、酸性に傾くと健康上さまざまな問題が発生します。
ただ私たちが日々口にする肉類、魚介類、穀類は酸性。かつ丼に天ぷらうどん、ラーメンにチャーハンなど、肉・魚介類や炭水化物を組み合わせたガッツリ系のごはんが好きだという方は、特に注意が必要です。
そもそも酸性のものばかり食べていると、体はどうなっていくのでしょうか。
体は酸性に傾きかけると、弱アルカリ性に戻そうとします。その際必要となるのがカルシウム。骨や歯に含まれるカルシウムを溶かし、中和させて体を弱アルカリ性に戻そうとします。そのため酸性の食品を多く口にしていると骨密度は低下。特に年を取ると、骨に含まれるカルシウムの量は減っていきますので、体が酸化するような食事ばかりをしていると、骨がスカスカになり骨粗鬆症を引き起こすことも。年をとればとるほど、毎日の食事には気をつけたいものです。
そこで大切になるのが、腸活に良いとされる「まごわやさしい」の食材を使った食事。豆・ごま・わかめ・野菜・魚・しいたけ・いも類を毎日の献立に取り入れると、人間の体は本来あるべき弱アルカリ性に保ちやすくなります。
酸性食品にはどんなものがある?
食品のほとんどは、酸性かアルカリ性のどちらかに分類されます。
ただ、食品の酸性・アルカリ性は、食品そのものの性質を表しているわけではありません。食品を摂取した後に体内で酸性とアルカリ性のどちらに作用するかを意味しています。
酸性食品に分けられるのは、肉・魚介・卵といった動物性食品や、米・パン・麺などの穀類になります。
また砂糖は体内で酸性の乳酸を生成するため、酸性食品に分類されるという意見もあります。普段から糖分の摂り過ぎには気をつけたいですね。特に控えたいのが、夜寝る前の甘いもの。1日の終わりに大好きなスイーツを食べるのが習慣になっている…なんてことはありませんか。
糖質は、正常細胞のエネルギー源となる重要な栄養素。しかし過剰に摂取してしまうと、がん細胞のエネルギー源になると言われています。特に血糖値を急激に上昇させてしまう摂取の仕方は良くありません。血糖値とは、血液中を流れるブドウ糖の量のことで、血糖値が急上昇する状態は、ブドウ糖が必要量を超えていることを意味します。特に就寝前に糖分の多いものを口に入れると、血糖値が急上昇しますので、寝る前にスイーツを食べるのがルーティーンになっているという皆さんは、少し頻度を減らしてみてくださいね。
「まごわやさしい」を含むアルカリ性食品
アルカリ性食品は、野菜や果物・きのこ・海藻のほか、豆腐・納豆・油揚げ・きな粉やしょうゆ・味噌などの大豆製品が挙げられます。
アルカリ性食品には、日本食でおなじみの健康に良い食品がたくさんあります。「まごわやさしい」の品目もしっかり含まれていますね!
酸性食品に偏った食事は、高カロリー、高脂肪(動物性脂肪)となり生活習慣病を引き起こす可能性があるので注意が必要です。しかし酸性食品を摂取するのが悪いというわけではありません。あくまで摂り過ぎに気をつけつつ、「まごわやさしい」のアルカリ性食品を毎日の献立にうまく取り入れていくといいですね。
特に不摂生が続いたと感じたら、「まごわやさしい」の食材で栄養たっぷりのおいしいごはんを食べ、腸内環境を整えること、体を健康な弱アルカリ性に保つことを心がけてみましょう!
ハートスフードクリエーツでは、お子様や保護者様に腸活に興味を持っていただくため、講師を招いた講演会や、親子で参加できる農業体験、自社農園で収穫した無農薬野菜の販売などのイベントを定期的に開催しています。
開催日につきましては、ホームページやSNSにてご案内しておりますので、興味のある方はぜひご参加くださいね。
私達の活動を通して、腸内フローラへの理解を深め、善玉菌や発酵食に少しでも興味を持っていただけると幸いです。